デザインスプリントを読んだ
デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイドを読んで面白かったので、メモや実践するときの共有用として書いておきます。 流石に全部は書けないので、個人的にオッと思った箇所を抜粋してます。
デザインスプリント ―プロダクトを成功に導く短期集中実践ガイド
- 作者: Richard Banfield,C. Todd Lombardo,Trace Wax,安藤幸央,佐藤伸哉,牧野聡
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2016/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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デザインスプリントとは
Googleベンチャーズとかで実施されている、サービスやプロダクトのアイディアを出して検証するビジネスフレームワークです。
「デザイン」と言う言葉がはいっていますが所謂デザイナー向けというわけではなく、 広くアイデアを継続的に出して改善していく手法です。
アイデアがミーティングの場や閃いた時には「これはいける!!」と盛り上がったものの、いざリリースしたら全く使う人がいなかったということは、 サービスやプロダクト制作に関わったことのある方なら、経験したことも少なくはないでしょう。
そのまま勢いで開発してリリースした場合、多くの時間とコストを無駄にしてしまいます。
デザインスプリントでは5日間で
- 理解
- 発散
- 決定
- プロトタイプ
- テスト
の項目について活動し、アイデアについて検証します。
僕が良いなと思ったポイントとしては、5つのフェーズに分かれているので、各フェーズに集中できるところです。 アイデアを出すところはクソなものでも出す。 評価するところでは良いと思ったものは良いと、悪いものは悪いとしっかりと評価する。 これが明確に別れていることがデザインスプリントのメリットかなと思います。
また、アイデア出しって正解が無いので悩んで時間がかかりすぎたりしますが、時間がかなりタイトなので夏休み最終日にやる宿題のような感覚で火事場のクソ力を発揮できます。
準備
デザインスプリントでは、ホワイトボードとポストイットが大活躍します。 出し惜しみせず、ガンガン使いましょう。 また、使うペンはボールペンやシャーペンだと細かく書きすぎるので、マッキー的な太いペンを使うと効果的だと思います。
理解
目的 - 背景理解 - ヒント - 課題発見 - ユーザーについて
事実と仮定
- 事実と仮定にそれぞれポストイットに書き出す(10min)
- 事実と仮定をグループ化する(10min)
- もし事実に対して異論が出たら仮定グループへ移動
課題定義(20min)
- プロダクトが行わなければいけないことは何か?
- 何を解決するのか?
- その動機はなんなのか?
を書き出します。
ここで重要なのは、出てきたものに対して解決法を考えたり出したりしないことです。 それは別のフェーズでやるので、ここでは課題定義に集中しましょう。
チャレンジマップ(20min)
上で出た課題に対して、何故必要か?と考えて答えを課題の周りに貼る。 その答えにも何故必要か?と問いかけて、「お金を儲けるため」みたいな原初的な回答が出るまで続けます。
Who/Doエクササイズ
ホワイトボードを縦で区切って、左に「誰が?」右に「何をする」(何をすべきか、成し遂げたいか)を書きます ここで、プロダクトのユーザが見えてきます。
発散
目的 - 解決策 - アイデア出し
一日目で出てきた課題、タスクをストーリーにします 「私は〜〜〜の時、◯◯のために☓☓したい」 と虫食いで書いて、各課題ごとに埋めていきます。
8アップ
A4の紙を横にして八つ折りし、8個のマスを作って1個30秒で埋めます。 ここでは絵でも文字でもなんでもいいのでガンガンアイデアを出していきます。
5分で8個作って、5分で説明のサイクルを2回以上やります。
ストーリーボード(20min)
右にコマ、横に説明というふうに8アップで出したアイデアから良い物を使うユーザーの背景、流れ、人の関わり方を含めてストーリーにします。 8アップで出た他の人のアイデアから作っても大丈夫です。 あとの評価のときに他の人がこれを見ても理解できるように書きます。
サイレント評価
ストーリーボードの作者は目隠しをしながら、他の人が良いと思ったストーリーボードの良いと思った箇所に丸いシールを貼ります。 これをストーリーボードの数繰り返します。
その後、製作者は人気の箇所を説明したりワイヤーフレームを作ってもう一度シールで投票します。
ここで、このサイクルをもう一度繰り返します。 アイデアを質より量で出しましょう。
決定
目的 - アイデアの収束
1万円テスト(15min)
参加者にニセのお金として、1万円分を配ってワイヤーフレームに投資します。 ここでは発散フェーズで行った投票とは全く関係ありません。 良いと思ったアイデア、箇所に投資しましょう。
ここで、理解フェーズで出た仮設に対しても解決手段や条件がないかを考慮しながら1万円テストで優先順位をつけます。
異論の儀式(20min)
1万円テストのあとに、ある程度詳細なワイヤーフレームを作ったら製作者は目を隠して異論を聞きます。 他の人はガツガツ思ったことを遠慮なく言いましょう。 ここで重要なのは、アイデアを批判するのであって人間を批判しないことです。
このサイクルを行って、2つか3つ程度までアイデアが収束したら、プロトタイプのスケッチを書きます。
プロトタイプやテストの項は省略します。 詳細は以下が詳しいです。
また、実践例ははじめてデザインスプリントをやってみたで詳しく載っています。
アイデアって考えても考えても浮かばないと思っていたので、こうした手法はチーム内でのモノ作りへの意識の共有や、仮定、実験、検証を含む合理的なUX改善プロセスなどは非情に勉強になりました。